地域医療実習(1年生向け企画)
宇部協立病院では、毎年夏休みを利用して1年生向け(医学生・看護学生対象)の地域医療実習を受け入れています。2015年度は9月29日(火)~9月30日(水)の1泊2日(宿泊はきらら交流館)で、宇部協立病院・小野田診療所を中心に実施しました。
1日目は精神科の永岡先生から、患者様と良好なコミュニケーションを行うための心構えやポイントについてお話していただきました。
その後、学んだことを活かして看護学生は病棟実習で、医学生はデイケアで、学びを活かして患者様や利用者様とコミュニケーションを取りました。
夕食はきらら交流館近くの医療生協の理事さんのお宅で屋台を体験。焼肉や浅田理事特製のおでんを食べながら、楽しく交流が出来ました。夕食交流会の後は、きらら交流館で小野田診療所所長の廣田先生を中心に実習の振り返りをしました。
2日目は宇部協立病院の坂田先生から、「患者中心の医療」の4つのコンポーネントの解説と問題解決の方法についてお話しいただきました。学生からは、「患者により良い医療を施すためには患者のライフサイクルを考えることが重要だとわかった」などの感想がありました。午後からは整形のオペ見学と救急車対応同行もしました。
新入生歓迎企画 岩国観光ツアー
2015年4月19日(日)、新入生歓迎企画として岩国観光ツアーを実施し、医学生・看護学生15名(うち新入生8名)が参加をしました。
昼食交流は錦帯橋そばの岩国観光ホテルにて開催。アイスブレイクで笑顔満開の中、先輩医学生から中四医系学生のつどいや韓国の医療と平和を学ぶ視察の報告、先輩看護学生から中四地協DANS(中国・四国地方の看護学生が学び・交流する企画)の紹介をしてもらいました。
また、岩国市在住の吉岡さん(山口県平和委員会会長)にお越しいただき、岩国には城下町や錦帯橋など観光地としての側面だけでなく、米軍基地をかかえる町としての問題点もあることをお話していただきました。
午後からは吉岡さんのガイドのもと、バスで移動しながら岩国基地や岩国錦帯橋空港、愛宕山の見学を行いました。基地の周りは鉄条網が張り巡らされ、撮影禁止などの看板が取り付けられていて、学生たちはおっかなびっくりしながら金網の向こうを覗いていました。4年前に岩国基地を見学したことがある医学生は、当時埋め立て中だった場所が新しく整備され、景色が大きく変わっていることに驚いている様子でした。
米軍住宅地周辺を回った際には、吉岡さんから「思いやり予算」でその費用が賄われていることが説明され、ため息も漏れていました。
最後に、錦帯橋周辺の観光を自由散策しました。残念ながら雨模様でしたが、雨なんて関係ないとばかりにみんなでワイワイしゃべりながら錦帯橋を渡りました。
錦帯橋といったら…そう、100種類あるアイス!橋を渡ると、すぐにみんなアイスを買って食べていました。大正ロマン味、ハバネスク味、ラーメン味など、よそではお目にかかれない変わり種アイスも満載。行ってみる機会があれば、ぜひご賞味を。
その後は国の天然記念物である白蛇を見たり、ロープウェイで岩国城に行ったり、吉香公園をまわったりして、自由散策を楽しみました。
韓国平和ツアー
2015年2月24日(火)~2月26日(木)まで韓国の医療と平和を学ぶために、医学生が韓国視察に行きました。
2/24 戦争と女性の人権博物館視察 / 歴史先生の公開授業 / 韓国市場見学
2/25 西大門刑務所視察 / 水曜集会 / ハルモニとの交流 / グリーン病院視察 / 保健医療団体との交流(韓国の医療の今について学習) / 韓国の医学生との交流
2/26 市内観光(東大門、広場市場、昌徳宮)/ 戦争記念館視察
2/24(火)
戦争と女性の人権博物館
参加者の感想
ハルモニひとりひとりの写真、メッセージ、ビデオなどを見て、痛烈に胸に突き刺さるものがありました。ぼんやりしていた輪郭から、ひとりひとりの悔しさや悲しみ、諦めや絶望などを感じるようになりました。しかし、虐げられ続けた人生も後半で、人として、女性としての尊厳や誇りを取り戻すべく立ち上がったハルモニの、想い強さに感服しました。
まず、想像以上に慰安婦問題という歴史上の事実が“見える”ことに驚きました。日本では、この問題を正式に認めていないということもあってか、証拠となるような資料を見ることはほとんどないし、「証拠はない」という主張すらなされています。しかし、博物館内には、日本軍の文書や兵士の日記など、慰安所の存在やその実態を示す様々な物品が展示されていました。これほど明らかな証拠があるにも関わらず、日本国内ではこのような物品を見る機会や、その存在を知る機会がほとんどありませんでした。
また、被害者の数や慰安所の(あったとされる地域の)数の多さにも驚きました。登録されてわかっている被害者だけでも想像以上の数だったのに、実際にはその何倍もの人が被害にあったと言われています。また、慰安所も多くつくられ、日本が国の政策として大規模に行っていたことがうかがえました。
これまで慰安婦の問題は、「日本 対 韓国」という、国と国の間での問題であるというイメージが強かった。しかし、それだけではなく、女性の人権の問題としても重要であるということに気づかされました。
歴史先生の公開授業(ソウル中央高校歴史教師 A氏)
韓国の高校の歴史教師に、2時間ほど日本とアジアの歴史について公開授業をしていただいた。
参加者の感想
まず、日韓問題を考えるにあたって知っておかなければならない韓国の歴史について知ることができてよかった。日本側から見ると理不尽にすら感じる反日思想も、韓国側から見ると道理にあった行動のように思えました。しかし、先生も言っていたように、お互いがお互いの道理、常識をぶつけ合っても問題は解決せず、互いを理解し合うことが必要不可欠であると感じました。
2/25(水)
西大門刑務所
1908年に日本によって建てられた刑務所。
参加者の感想
西大門刑務所では、1905年~1987年の朝鮮の様子を感じました。1945年までは日本が支配し、それ以降は朝鮮の人が、自国の政治に反する考えをもつ人を取り締まっていました。私は、カンボジアのポルポト政権時代の刑務所に行ったことがありますが、同じものを感じました。自分と異なる他者を排除して自分を守るということが、国をつくる過程、独裁政権ではある、ということを痛感しました。
グリーン病院の視察・先生方との交流
参加者の感想
想像していたよりも建物が古いと感じたが、一方で、様々な工夫を見ることができ、とてもよかった。具体的には、リハビリセンターの配置や大きい窓、廊下のつくり、また、階段がわりのスロープなどである。
日本でも、患者中心の医療ということが多く主張されているが、グリーン病院ではそれが形としてしっかり実践されていると思った。さらに、この建物のつくりが最近できたばかりというわけではないというところに、改めてこれらの配慮のすばらしさを感じた。院長先生をはじめ、多くの先生方などに質問したりする機会をつくっていただき、病院のことについていろいろお聞きすることができて、本当に良い機会だったと思う。事前学習ではわからなかった最近の病院の経営事情や、様々な取り組みについて知ることができた。
保健医療団体との交流・韓国の医学生との交流
参加者の感想
韓国と日本を比較できたことが良かったです。アベノミクスやパクネミクスなどという話もありましたが、両国の抱える医療問題には共通点も多く、互いに協力して、それぞれが解決へ向かえるような交流が持てたらと思いました。また日本でも当然格差はありますが、韓国のそれはとても深刻で、健康保険制度が黒字になるという皮肉も衝撃的でした。
現地の医学生と交流できたことも、非常に貴重な経験でした。会のまとめにもありましたが、将来、ともに国をまたいで医療の現場で協力し合える仲間として会いたい、そう強く思いました。そのためにも、相手を知ることはもちろんのこと、自分でも知らない自分たちのことも、しっかり見つめる努力を続けていきたいと思います。
2/26(木)
戦争記念館視察
ここは、日本でいえば靖国神社にある遊就館である。3万5千坪の広大な敷地に政府が日本円で640億をかけて建設したとのことで、「兵士がいかに立派に戦ったか」ということを、お金をかけて詳細に説明している。韓国の軍隊の大学の学生たち、軍隊の方々と思われる人たちの集団がいくつか見学しているのに遭遇した。
ソウル市内観光も!