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予防接種について
予防接種
当院では発症やその後の重篤な合併症、後遺症を防ぐためにワクチンによる予防接種をお勧めしています。
ワクチンの準備に数日を要するため、予約なしで受診されると、当日接種を受けることができない可能性があります。事前のご予約をよろしくお願い致します。
ワクチン
病原体の毒性を弱める、あるいは無毒化したものがワクチンです。
ワクチンを接種することで実際には病気にかかることなくその病気への免疫をつけることができ、発症を予防したり症状を軽度ですませたりすることが可能です。
一般的にワクチンは1回接種すれば発症を予防するために必要な免疫は獲得できると考えられていますが、中には1回ではきちんと免疫がつかない方が一定数いることが分かっているものがあり、これらのワクチンについては2回以上の接種が推奨されています。
また予防接種から実際の予防効果発現までは最低でも1~2週かかることが知られています。
ワクチン名 | 組合員 | 非組合員 |
---|---|---|
肺炎球菌ワクチン | ¥6,000 | ¥8,000 |
麻疹ワクチン | ¥5,500 | ¥7,500 |
風疹ワクチン | ¥5,500 | ¥7,500 |
おたふくかぜワクチン | ¥5,500 | ¥7,500 |
水痘、帯状疱疹ワクチン (生ワクチン) |
¥6,000 | ¥8,000 |
帯状疱疹ワクチン (不活性化ワクチン) |
¥21,000 | ¥23,000 |
破傷風ワクチン | ¥3,000 | ¥5,000 |
A型肝炎ワクチン | ¥6,500 | ¥8,500 |
B型肝炎ワクチン | ¥5,500 | ¥7,500 |
麻疹・風疹混合(MR)ワクチン | ¥8,000 | ¥10,000 |
インフルエンザワクチン | ¥2,600 | ¥3,600 |
詳しくお知りになりたい際はワクチン名をクリックください。詳細ページを表示します。
肺炎球菌ワクチン(成人用PPSV23)
・推奨接種回数・間隔:5年以上の間隔を空けて、任意の回数接種
・1回あたりの接種費用:6,000円(組合員)、8,000円(非組合員)
肺炎球菌は髄膜炎, 敗血症, 肺炎など重篤な症状を引き起こすことが知られています。
この肺炎球菌による感染症を予防するワクチンが肺炎球菌ワクチンです。
平成26年10月よりご高齢の方は定期接種(公費)対象となっております。
詳しくは窓口でお尋ねください。
麻疹ワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:4週以上の間隔を空けて、2回以上接種
・1回あたりの接種費用:5,500円(組合員)、7,500円(非組合員)
麻疹は麻疹ウイルスによっておこる感染症で発熱や咳、鼻水といった風邪様症状と発疹が特徴的です。肺炎や脳炎を合併することがあり、発症者の約30%が合併症を併発し、約40%が入院を必要とも言われています。
飛沫もしくは飛沫核の中に含まれる麻疹ウイルスを吸い込むことで感染します。その感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%が発症するため、日本でも度々大流行を来しています。
1990年(平成2年)4月1日以前にお生まれになられた方は麻疹ワクチン未接種あるいは1回接種の可能性が高く、抗体価の検査、ワクチン接種が勧められます。
風疹ワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:4週以上の間隔を空けて、2回以上接種
・1回あたりの接種費用:5,500円(組合員)、7,500円(非組合員)
風疹は風疹ウイルスによっておこる急性感染症で発熱、頭痛、咳、鼻汁、発疹、リンパ節の腫脹等の症状をもたらします。感染力は麻疹や水痘ほどは強くありませんが、先天性風疹症候群(※)には十分注意が必要であり、ワクチン接種後は2ヵ月間の避妊が必要です。
※先天性風疹症候群とは
免疫のない女性が妊娠初期に風疹に罹患すると、胎児も風疹ウイルスに感染し、出生児に先天性風疹症候群と総称される難聴や心疾患、精神発達遅滞等の障碍を引き起こすことがあります。妊娠前の抗体価の検査、ワクチン接種が強く勧められます。
おたふくかぜワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:4週以上の間隔を空けて、2回以上接種
・1回あたりの接種費用:5,500円(組合員)、7,500円(非組合員)
流行性耳下腺炎、ムンプスの別名を持つ、ムンプスウイルスにより起こる病気です。耳の下に位置する耳下腺(唾液を作る組織)に炎症が生じることから、同部位の腫れを特徴的な症状とし、既に感染している患者さんの唾などにより感染します。難聴、耳鳴りや不妊の原因になることもあり、2015年~2016年の2年間でおたふくかぜが原因で難聴となった方が300人を超えたことがわかっています。そのため、予防接種を含めた感染予防策を徹底することが重要であると考えられています。
水痘、帯状疱疹ワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:4週以上の間隔を空けて、2回以上接種(水痘)
1回接種(帯状疱疹)
・1回あたりの接種費用:6,000円(組合員)、8,000円(非組合員)
水痘
水痘は水痘-帯状疱疹ウイルスによる感染症です。ウイルスを含有する飛沫もしくは飛沫核の中に含まれるウイルスを吸い込むことで感染し、非常に強い感染力を持ちます。症状としては全身に盛り上がった紅い発疹や発熱、全身倦怠感等ですが、大人になってかかると肺炎などの内臓合併症を伴いやすく注意が必要です。
帯状疱疹
加齢やストレス、過労などが引き金となって免疫力が低下し、水痘―帯状疱疹ウイルスが再活性化することで発症します。ピリピリと刺すような痛みと、帯状の赤い斑点と小さな水ぶくれが特徴です。近年、水痘ワクチンを接種することで帯状疱疹の発症を抑えることが分かり、50歳以上の方はワクチン接種が可能となりました。
帯状疱疹ワクチン(不活性化ワクチン シングリックスⓇ)
・成人の推奨接種回数・間隔:2ヵ月の間隔を空けて2回、接種
・1回あたりの接種費用:21,000円(組合員)、23,000円(非組合員)
帯状疱疹不活化ワクチンの接種を新たに開始しました。従来の生ワクチンと比較して、接種回数も多く、金額も高価ですが、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の発症予防効果が高い、効果の持続期間が長い、免疫抑制薬を服薬している方でも接種が可能等、様々なメリットがあります。一方で注射部位の疼痛や発熱、倦怠感等の副作用が出やすいことが知られています。帯状疱疹ワクチンの接種をご希望される方は、ご自身の状態に応じてワクチンをご選択ください。
帯状疱疹ワクチンの比較
水痘・帯状疱疹ワクチン (生ワクチン) |
帯状疱疹ワクチン (不活化ワクチン) |
|
---|---|---|
接種回数 | 1回 | 2回 |
帯状疱疹発症予防効果 | 51.3% | 97.2% |
神経痛発症予防効果 | 66.5% | 88.8% |
効果持続期間 | 5年程度 | 9年以上 |
費用(1回) | 6,000円(組合員) 8,000円(非組合員) |
21,000円(組合員) 23,000円(非組合員) |
接種方法 | 皮下接種 | 筋肉内接種 |
副反応 | 少ない | 多い |
備考 | 免疫抑制剤内服中および免疫抑制状態にある方は接種できない | 効果は高いが、高価、2回接種が必要、副反応が強い等のデメリットあり |
破傷風トキソイド
・成人の推奨接種回数・間隔:3~8週空けて2回、その後6ヶ月以上空けて1回
・1回あたりの接種費用:3,000円(組合員)、5,000円(非組合員)
土壌中に生息する破傷風菌が傷口から体内に侵入することで感染を起こします。一度発症すると致死率は20~50%と高く、予防が重要です。世界中の土壌中に分布し、特に舗装道路の少ない発展途上国で問題となっているため、海外渡航時には接種歴の確認をお勧めします。
A型肝炎ワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:2~4週空けて2回、その後24週以上空けて1回
・1回あたりの接種費用:6,500円(組合員)、8,500円(非組合員)
ウイルスに汚染された食品や水を摂取したり、感染した人に直接接触したりすることで感染し、肝炎をきたします。慢性化することはありませんが、劇症化することがあり、この場合には死亡率が高くなります。上下水道の整備されていない発展途上国で問題になっており、渡航予定の際は接種をお勧めします。効果の持続期間は約5年間です。
B型肝炎ワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:4週空けて2回、その後20~24週以上空けて1回
・1回あたりの接種費用:5,500円(組合員)、7,500円(非組合員)
海外渡航時において外傷治療、輸血、手術を受けた際や、医療従事者の使用済み針刺し事故の際に血液を介して感染します。医療水準の低い国へ渡航する際やこれから医療に従事する方は接種することをお勧めします。
麻疹・風疹混合ワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔:4週以上の間隔を空けて、2回以上接種
・1回あたりの接種費用:8,000円(組合員)、10,000円(非組合員)
麻疹・風疹ワクチンの混合ワクチンです。すでにいずれかの免疫をお持ちの方でも接種することが可能です。詳しくはそれぞれのワクチンをご覧ください。
インフルエンザワクチン
・成人の推奨接種回数・間隔: 1回、あるいは1~4週空けて2回
・1回あたりの接種費用:2,600円(組合員)、3,600円(非組合員)
インフルエンザウイルスが含まれる咳やくしゃみなどによる飛沫を吸い込むことで感染し、感染力は比較的強いことが知られています。急速に出現する悪寒、高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛を特徴とし、高齢者や基礎疾患を持つ方、免疫機能が落ちている方などでは肺炎やインフルエンザ脳症等を合併し、重症化することがあります。ワクチンの効果は5ヶ月間程度しか持続しないこと、また流行するウイルスの型が変化することから毎年のワクチン接種が勧められており、とりわけ妊娠中の方はいずれの時期においても接種が推奨されます。