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放射線科
大腸CT検査について
当院では2015年より大腸CT検査を行っています。
大腸CT検査とは、内視鏡やバリウムを使わない最新の大腸の検査方法です。従来の検査方法にくらべて患者様の身体への負担が少なく大腸がん検診の受診率向上に大きく期待されています。当院でも大腸がん検診での便潜血検査(OCヘモ)で陽性反応が出た方への検査を積極的に進めています。
なぜ大腸CT検査が必要なのか?
大腸は長さが約2mあり盲腸、結腸(上行、横行、下行、S状)、直腸などから構成された臓器です。この大腸に発生する大腸がんは40代から増加し始め50代で急速に増え年齢が高くなるほどかかる割合が増えていきます。
さらに全体のがんの中でも男性では3番目、女性では2番目に多いがんで女性のがんでの死因ではなんと1位となっています。
大腸がんも他のがんと同様早期発見と適切な治療により術後の生存率が上がってきているのにも係わらずこのような数字になっている背景には、初期の症状が少ないことと健診での精密検査の受診率の低さが要因となっています。大腸がんでの精密検査といえば大腸内視鏡検査(大腸カメラ)ですが痛みが強い、恥ずかしいといったイメージが強いことが受診を遠ざけている原因となっています。
表からわかるように山口県の大腸がん検診受診率は全国の中でも低い順位で、県内での受診率向上が課題となっています。
こういった背景から当院では比較的受けやすい大腸CT検査を推奨し患者様の病気の早期発見を目指した検査を行っています。
大腸CT検査の詳しい内容
検査準備
まず大腸CTも大腸内視鏡と同様前処置として下剤を飲む等をして大腸の中を綺麗にします。
これは検査の際に便などが残っていた場合病気が便などに隠れて見つかりにくくなる事を防ぐためです。
前処置ですることは大きくわけて3つで
①前日は消化に良いものを食べる(大腸検査食など)
②下剤を飲んで便を出す
③腸を洗う液体(マグコロール溶液)を飲んで洗い流す
となっています。(詳しくは以下の図に示すような流れです)
大腸内視鏡検査をされる際にきついといわれる事の多くに③の行程があります。検査の直前に2L近くの液体を飲まないといけないのが原因で中々に大変なものです。
しかし大腸CTではこの行程も前日の夜に400ml、検査当日の朝に400mlとして患者様への負担を少しでも減らせるようにしています。
検査
検査の前にしっかりと便をだして頂き出きったのを確認してからCT室に入室となります。
CTの寝台に横になり、肛門から直径約1cmのチューブを入れ炭酸ガスを注入していきます。
このチューブは内視鏡よりかなり細く検査をしていく中で患者さんが痛みを訴えられた事はありません。
炭酸ガスは圧が一定になるように注入され、一気にたくさん入って苦しくなるといったような事はなく、検査を通して約1.5~2L入ります。
しっかりとガスが入ったら普通のCT検査で行うのと同じ撮影を、仰臥位と腹臥位の2回行います。
ガスを注入した際に多少お腹の張りは感じますが炭酸ガスは空気の130~150倍体内への吸収が早いといわれており、検査終了後すぐにお腹の張りは消えていきます。
入室から退室まで15分程度で終わります。