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2.臨床研修の一般目標と行動目標

それぞれの一般目標を実現するための手段として,
それぞれの一般目標に下記のような行動目標を提起します。

Ⅰ.医師としての基本的臨床能力(知識、技術、態度)を身につける

1.基本的臨床知識と技術

プライマリーケアを行う医師として、
診療における基本的な臨床能力を身につける。

①.医療面接

一般目標
患者・家族との信頼関係を構築し,診療に必要な情報と患者・家族の不安や希望・要求を正確に得るために,適切な医療面接を実施できる。
行動目標

  • 医療面接におけるコミュニケーションのもつ意義を理解し,コミュニケーションスキルを身につけ,患者解釈モデル,受診動機,受療行動を把握できる。
  • 患者の病歴(主訴,現病歴,既往歴,家族歴,生活・職業歴,系統的レビュー)の聴取と記録ができる。
  • 面接の中で患者・家族の不安や悩み,悲しみなどの感情に適切な対応と共感を表現できる。
  • インフォームドコンセントのもとに,患者・家族への適切な指示,指導ができる。
②.身体診察

一般目標
病態を正確に把握するために,前身にわたる身体診察を系統的に実施し,記録できる。
行動目標

  • 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握,皮膚や表在リンパ節の診察を含む)ができ,記載できる。
  • 頭頸部の診察(眼瞼・眼球結膜,眼底,外耳道,鼻腔,口腔,咽頭の観察,甲状腺の触診を含む)ができ,記載できる。
  • 胸部の診察(乳房の診察も含む)ができ,記載できる。
  • 腹部の診察(直腸診を含む)ができ,記載できる。
  • 泌尿・生殖器の診察(産婦人科的診察を含む)ができ,記載できる。
  • 骨・関節・筋肉系の診察ができ,記載できる。
  • 神経学的診察ができ,記載できる。
  • 小児の診察(生理的所見と病理的所見の鑑別を含む)ができ,記載できる。
  • 精神面の診察ができ,記載できる。
③.臨床検査

一般目標
患者への適切な対応をするために,以下の基本的手技の適応を決定し,実施できる。
行動目標

基本的臨床検査を理解し,実施あるいは指示し,結果を解釈できる。(A=自ら検査を実施し結果を解釈できる。B=検査を指示し結果を解釈できる。C=検査を指示し専門家の意見に基づき結果を解釈できる)

④.基本的手技

一般目標
患者・家族との信頼関係を構築し,診療に必要な情報と患者・家族の不安や希望・要求を正確に得るために,適切な医療面接を実施できる。
行動目標

  • 気道確保を実施できる。
  • 気管内挿管を実施できる。
  • 心マッサージを実施できる。
  • 除細動を実施できる。
  • 圧迫止血法が実施できる。
  • 包帯法が実施できる。
  • 注射法(皮内,皮下,筋肉,点滴,静脈確保,中心静脈確保)を実施できる。
  • 採血法(静脈血,動脈血)を実施できる。
  • 穿刺法(腰椎,胸腔,腹腔)を実施できる。
  • 導尿法を実施できる。
  • xi
  • ドレーン・チューブ類の管理ができる。
  • xii
  • 胃管の挿入と管理ができる。
  • xiii
  • 局所麻酔法を実施できる。
  • xiv
  • 創部消毒とガーゼ交換が実施できる。
  • xv
  • 簡単な切開・排膿を実施できる。
  • xvi
  • 皮膚縫合法を実施できる。
  • xvii
  • 軽度の外傷・熱傷の処置ができる。
⑤.基本的治療法

一般目標
患者への適切な対応をするために,以下の基本的治療法の適応を決定し,適切に実施できる。
行動目標

  • 療養指導(安静度,体位,食事,入浴,排泄,環境整備を含む)ができる。
  • 薬物の作用,副作用,相互作用について理解し,薬物治療(まずは救急室の常備薬)ができる。
  • 輸液の種類と適応を理解し,その指示と実施ができる。
  • 輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し,輸血が実施できる。
⑥.医療記録

一般目標
医療チームの一員として,患者への診療を的確に実施するために,医療記録を適切に作成し,管理できる。
行動目標

  • 診療録(退院時サマリーを含む)をPOS(Problem Oriented System)に従って,記載し管理できる。
  • 処方箋,指示箋を作成し,管理できる。
  • 診断書,死亡診断書(死体検案書を含む),その他の証明書を作成し,管理できる。
  • 剖検所見の記載・要約しCPC(臨床病理検討会)レポートを作成して,症例呈示できる。
  • 紹介状と,紹介状への返信を作成でき,それを管理できる。
⑦.症例呈示

一般目標
院所内での質の高いチーム医療を実施でき,また他の院所の医師・医療従事者との連携が図れるようになるために,関与した症例について他の医師や医療従事者に呈示し,意見交換ができる。
行動目標

  • 簡潔かつ要点を得た症例の呈示と討論ができる。
  • 臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する。
⑧.診療計画

一般目標
保健・医療・福祉の各側面に配慮しながら,全人的・包括的医療を実施するために,診療計画を作成し,評価できる。
行動目標

  • 診療計画書(診断,治療,患者・家族への説明を含む)を作成できる。
  • 診療ガイドラインやクリニカルパスを理解し活用できる。
  • 入退院の適応を判断できる(デイサージェリー症例を含む)。
  • QOL (Quality of life)を考慮に入れた総合的な管理計画(社会復帰,在宅医療,介護を含む)へ参画する。
  • 社会福祉施設の役割について理解する。
  • 地域保健・健康増進(保険所機能への理解を含む)について理解する。
⑨.安全管理

一般目標
患者ならびに医療従事者にとって,安全な医療を遂行するために,安全管理の方策を身につけ,危機管理に参画できる。
行動目標

  • 医療を行う際の安全確認の考え方を理解し,実施できる。
  • 医療事故防止および事故後の対処について,宇部協立病院 安全指針に沿って行動できる。
  • Standard Precautionと感染経路別感染防御対策を中心とした院内感染対策を理解し,宇部協立病院 感染制御ガイドラインに沿って行動できる。
⑩.問題対応能力

一般目標
患者さんの問題をいろいろな側面で分析・把握し,これを問題対応型の思考で解決できる。
行動目標

  • 患者さんの問題を医学・医療・介護・精神・経済・社会など多方面で分析・把握し,これをプロブレムリストとして列挙できる。
  • それぞれの問題について,自ら具体的にその解決方法を提案できる。
  • 臨床上の疑問点を解決するために情報を収集して評価し,当該患者への適応を判断できる。(EBM= Evidence Based Medicineの実施ができる)。
  • 自己評価および第三者による評価をふまえた問題対応能力の改善ができる。

2.診断能力

一般目標
臓器や科を超えた臨床的に重要な疾患や症候に対する診断知識・技術を身に付ける。
行動目標

  • 別に列挙する『臨床的に重要な疾患』について,典型的臨床経過を述べることができる。
  • 別に列挙する『臨床的に重要な疾患』について,診断の要点を述べることができる。
  • 別に列挙する『経験すべき症状・病態』について,その鑑別診断を臨床的重要度順に列挙できる。
  • 別に列挙する『経験すべき症状・病態』について,鑑別診断を考慮に入れた初療を行うことができる。

3.救急医療

一般目標
生命や機能的予後に係わり,緊急を要する病体や疾病,外傷に対して適切な対応をするために,初期診断能力と初期対応能力を身につける。
行動目標

  • バイタルサインの把握ができる。
  • 重症度および緊急度の把握ができる。
  • ショックの診断と治療ができる。
  • 二次救命処置(ACLS=Advanced Cardiac Life Support)ができ,一次救命処置(BSL=Basic Life Support)を指導できる。 ACLSはバック・バルブ・マスクなどを使う心肺蘇生や徐細動,気管挿管,薬剤投与等の一定のガイドラインに基づく救急を含み,BLSには,気道確保,心臓マッサージ,人工呼吸等の,機器を使用しない処置が含まれる。
  • 頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。
  • 専門医への適切なコンサルテーションができる。
  • 大災害時の救急医療体制を理解し,自己の役割を把握する。

4.基本的な高頻度疾患と終末期のマネージメント

①.高頻度疾患のマネージメント

一般目標
各科における基本的な疾患について,その予防から診断・治療,社会復帰までを正しく理解し,その基本計画が立てられるようになる。
行動目標

  • 学会などが発行したガイドラインのある糖尿病,高脂血症,高血圧,気管支喘息などの基本的疾患については,このガイドラインを理解し,これに沿って入院および外来で診療・指導できる。
  • 別に列挙する『経験が求められる疾患・病態』について実際に経験し,その診断の要点と治療の概略を述べることができる。
②.緩和・終末期医療

一般目標
患者・家族への適切な緩和・終末期医療を実践するために,全人的理解に基づいて対応できる。
行動目標

  • 心理社会的側面への配慮ができる。
  • 緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む)に参加できる。
  • 告知をめぐる諸問題への配慮ができる。
  • 死生観・宗教観などへの配慮ができる。

5.地域医療と予防医療

①.地域医療

一般目標
『健康』を維持・増進する上での地域保健・医療の必要性を理解し,健康で『安心して住み続けられるまちづくり』に参画する。
行動目標

  • 社会の中で実際に生活している患者さんを全人的に理解するために,退院時訪問・在宅往診などで積極的に生活の場におもむく。
  • 地域の健康増進のため,生協班会などに積極的に参加し,その地域の健康増進を図る。
  • 診療所での医療の役割について理解し,これを経験する。
②.予防医療

一般目標
予防医療の理念を理解し,地域や臨床の場で実践するために各種活動に参画する。
行動目標

  • 食事・運動・休養・飲酒・禁煙指導とストレスマネージメントができる。
  • 性感染症(エイズを含む)予防,家族計画指導に参画できる。
  • 地域・職場・学校などの健診・保健事業に参画できる。
  • 予防接種を実施できる。

6.診療態度

一般目標
患者さんをその社会的・精神的背景を含め全人的に捉える目を養い,医療の主体者たる患者さんおよびその家族を中心にすえ、常にその人権と希望・要求を意識した診療態度を身につける。
行動目標

  • 医療生協の『患者の権利章典』を理解し,これを尊重,実践できる。
  • 患者・家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。
  • 医師,患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームドコンセントが実施できる。
  • 守秘義務を果たし,プライバシーへの配慮ができる。

7.協調性とリーダーシップ

一般目標
チーム医療の一員として,他の医師や医療・福祉・保健の幅広い職種・スタッフとの協調性を養い,民主的な集団医療の中でリーダーシップがとれるような人間性を身につける。
行動目標

  • 指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションできる。
  • 上級及び同僚医師,他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。
  • 他の医療スタッフとともに患者を中心に据えたカンファレンスを行うことができる。
  • 同僚及び後輩への教育的配慮ができる。
  • 患者の転入,転出にあたり情報交換ができる。
  • 関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。

8.ライフスタイル

一般目標
常に最新の医学知識を身につけるように心がけ,それを生涯の習慣とするライフスタイルを確立する。
行動目標

  • 医学誌やデータベース,インターネットなどを用いて,常に自らの医学知識の更新を心がける。
  • 臨床研究や治験のの意義を理解し,研究や学術活動に関心を持つ。 ⅲ自己管理能力を身につけ,生涯にわたり基本的臨床能力の向上に努める。

Ⅱ.医師の社会的責任を自覚し、日本の医療を担う医師になる

1.医療の社会性・平等性と現行医療制度の理解

一般目標
医療における社会性・平等性を深く認識し,これを追求してゆくために現行の医療制度を理解し,国民本位の医療をめざす。
行動目標

  • 基本的人権に基づく医療の社会性・平等性を深く認識し,その法的根拠を理解して,この実現を目指す。
  • 現在の保健医療法規・制度を理解しその概略を説明でき,適切に行動できる。
  • 医療保険,公費負担医療を理解し,適切に行動できる。
  • 同僚及び後輩への教育的配慮ができる。
  • 患者の転入,転出にあたり情報交換ができる。
  • 関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。

2.医師の社会的責任を自覚

一般目標
プライマリヘルスケアにおける医師の役割を自覚し,医療の持つ社会的側面の重要性を理解できる。
行動目標

  • WHOの健康の定義を理解し説明できる。
  • プライマリヘルスケアについて説明でき,日本におけるその意義を考えることができる。
  • 医の倫理・生命倫理について理解し,適切に行動できる。
  • 宇部協立病院 臨床倫理委員会の方針とその考え方を理解し,検討会に参加する。

3.自らの医療展望

一般目標
患者・地域住民の医療要求から出発し,患者を中心とした医療を実践してゆく中で,自らの医師としての展望を作り上げてゆく。
行動目標

  • 地域の生協斑会に参加し,地域の医療への要求を体感し自らの展望と結び付けられる。
  • 病院研修で地域の人々と触れ合う中で,自らの地域医療への貢献のあり方を考察できる。

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